ひとりデータ班のクローゼット

東京六大学野球近年のデータを中心に感じたことを書いていきます。

東京六大学の開催方式について

先ほど東京六大学野球2020年春季リーグの開催形式が1回戦総当たり制に決定しました。

これは

昭和15年秋、昭和16年秋、昭和17年秋と戦後最初のリーグ戦の昭和21年春以来5回目のこと」

東京六大学野球連盟HPより)だそうです。

Wikiによると、昭和16秋、17秋シーズンは1日3試合5週制。昭和15秋、21春は1日2試合4週制だったようです。

スポニチによれば

内藤雅之事務局長は1日3試合制での開催を断念した理由について「神宮はプロ併用日もあり、出来ると出来ない日がある」と説明した。

とあるため土日のみ開催で1日2試合4週制が採択されたとみるべきでしょう。

すなわち基本1週1試合のみで、最終週以外のどこかに1週に2試合組まれる形と考えられます。おそらく最終週の日曜日に早慶戦…というお決まりのパターンになると思われます。

手元に1回戦総当たり時代のデータがないので、どのような組み合わせになるかは推測できません。

なお、通常の法則通りに組む場合を考えると

慶應=K 早稲田=W 明治=M 法政=H 立教=R 東大=T)

①1-1 K-T W-M
②1-2 H-T R-M
③2-1 K-R W-H
④2-2 K-M W-T
⑤3-1 R-T M-H
⑥3-2 K-H W-R
⑦4-1 M-T H-R
⑧4-2 K-W

のようになります。各チーム一度だけ1週2試合となります。

1週目にTM、2週目にKW、3週目にHRの一回ずつです。

また、本来であれば5週から7週にかけ3週連続試合を行うRHも土日土の試合となり、負担も軽減されます。

 

さて。この開催形式の場合、戦ううえで大事になることは

①基本1週1試合

②4週間に縮小される

③開催時期が遅れることによる暑さへの対応

の3つを上げてみました。

 

①基本1週1試合

大学野球のリーグ戦は主に勝ち点制であり、仮に1試合負けてもあと2勝すれば勝ち点を奪うことができるのが他の野球にはない大きな魅力の1つです。

もちろん、今回の縮小に対する反対意見を述べるつもりはありません。

 

いずれにしろ、これによって1試合の価値が大きくなることは確かです。

1回戦で敗れた相手と再び戦い、倍返しする…というシナリオは描けません。

1人の投手が崩れて試合が決まってしまえば、それを取り返すことは容易ではありません。そこで必要なのは投手の良し悪しを的確に判断する采配の能力です。新監督にとっては腕の見せ所になってくるでしょう。

そして、裏を返すと崩れないような優秀な投手の存在が大切です。特に基本1週1試合なだけに中6日で必ず結果を出す絶対的エースがいるだけで戦いが楽になるでしょう。

現在、チームの中心が入れ替わり絶対的エースが存在するチームは早川が主将を務める早大のみ。強いて言うなら、ケガに不安のある三浦擁する法政程度です。

一方で投手層の厚い明大、慶大はうまく組み合わせればスキのない守りを構築できそう。個人的には1戦必勝が続く都市対抗予選を豊富な投手の組み合わせで勝ち上がってきた堀井新監督には期待したいところです。

 

②4週間に縮小される

本来であれば7週で開催されますが、半分に縮小されます。

敗戦を喫した後、空き週を挟んで2週間後まで試合がないというブランクはありません。一方でマイナスのモチベーションを引きずってしまえばズルズルいきかねないという難しさもあります。モチベーションの維持はこのシーズンにとって大事になります。

打線の好調を維持することも同義で重要です。打線のつながりを欠く状態を早く修正しなければ掛け違えたままシーズンを終えてしまうことになりかねません。

 

③開催時期が遅れることによる暑さへの対応

シーズンは4月から5月の終わりまで行われますが、気温は5月に入ってから徐々に上がり最終週には半袖でなければ耐えられないほどの暑さとなります。

そんな最終週に近い時期からシーズンが始まるだけに、暑さは神宮ではなかなか経験できないものです。熱中症など体力面での心配はシーズン終了までついて回るでしょう。特に投手は負担が大きいだけに、試合数が少ないとはいえ層は厚いに越したことはありません。

 

このように、未経験のシーズンが始まることになるかもしれません。

少ない試合数ながらそれぞれのチームが全力を出し切れることを望みます。