ケータイ捜査官7から読み解く ネットと人間の「2020年の明日未来」 の前提まとめ
上記の記事を簡素にまとめるため、ケータイ捜査官7を知らない人向けに前提知識を軽くまとめておきます。
ストーリー概略
普通の高校生ケイタがある事件に巻き込まれる中で歩くケータイ「フォンブレイバーセブン」と出会います。
が、その事件でセブンは共に事件を解決してきた「バディ」である秘密機関・アンダーアンカーのエージェントである滝本を失います。彼らの姿を目の当たりにしたケイタは滝本の遺志を継いで、アンダーアンカーの見習いエージェントとしてセブンとともにサイバー犯罪に立ち向かいます。
興味のないことには無気力で適当なケイタと自我を持たないAIなので冷静だけど融通が効かないセブンがサイバー犯罪やちょこっとした事件に巻き込まれる中で関わり合いを深めて「バディ」になっていきます。その中でケイタは秘めていた熱い心で周りを動かしていき、セブンは時にウソをついたりと人間の心を獲得していく…というのがメインのストーリーです。
「ネットと人間の関わり合い」を主張するために大事なエピソードまとめ
40話ではフォンブレイバーサードのバディ・エージェント桐原の、「ネット犯罪で家族を失った」過去の詳細が明かされました。
それは13年前に両親が殺害されたということ。そして犯行現場に残された犯人しか知り得ない文章と同じ文章がネットの掲示板に書かれていたこと。
その投稿者である「アカツキ」はネットで「ネタ」にされ好奇の目に晒されていました。
その「アカツキ」が次の犯行のために動き出したところを桐原は見つけ出しました。
しかし、犯行当時未成年だったため正当な裁きを望むことは不可能に近い…
「アカツキ」に復讐しながらも、最後は一歩踏みとどまった桐原は悩みます。
「ネットワーク自体を、変えていかなければならないんじゃないか」
そんな桐原にラスボスである間明が手を組むように悪魔の囁きを仕掛ける…
(ここで少年法の是非は40話のmostのメインテーマではないと思うので語りません)
その後42話で「ネットを管理する」という話題が現れます。
桐原は「サイバー犯罪と関わる中で、ネットは成熟していないと感じた。理想論は通用しない」と意見を表明。間明の手に落ちます。
物語の以前の過去、そして物語が進む中での事件を踏まえた言葉なので説得力があります。
一方、間明はフォンブレイバーの技術を利用して「ケータイ・GENE」を開発。一般市場に向けて販売することでGENEに搭載されたAIが人間のネット利用を把握し、最終的にはネットを管理する監視役になる…という野望を語ります。
ただ、間明の真意はネット利用の制御にはありませんでした。
GENEは最初こそiphoneのsiriが個人の感情を読み取り、最適化されたような状態で市民に愛されていました。
しかし、45話=最終回。GENEに「心」を持ったフォンブレイバー・ゼロワンのデータをインプットすることでGENEのAIが自我を持ち、ネットを完全に掌握。人類の「最適化」を宣言します。
そう、間明の目的は人間に次ぐ「新たな知的生命体の誕生を目にすること」にあったのです。
GENEの「誕生」を人間はもちろん受け入れることはできません。
一部の市民は暴徒化し、GENEが映り込むテレビやパソコンを破壊する行動に出ます。
アンダーアンカーはGENEを消滅させようと手を尽くしますが、失敗してしまいます。
自分を消滅させようとする人間の行動を見たGENEは人間を「最適化」するため、電波によって次々と脳死させていきます。
そんなGENEを止めるため
ケイタとセブン、桐原とサード
フォンブレイバーとバディが手を取り合って最後の戦いに挑む…
という物語です。
これらを解釈した上で考察を読んでいただけるとありがたいです。
ケータイ捜査官7を今ススメたい
お久しぶりです。2回目の春休みも終わりました。野球もなかなか始まらないし、面白いこともそんなないですね。
そこでFODというフジテレビ系が運営する動画のサブスクでいろんなドラマとかを見始めました。
いろんなサブスクがある中でなぜFODを選んだのか?理由は「ケータイ捜査官7」が会員見放題かどうかでした。
このケータイ捜査官7とはなんぞや?をテーマにこのブログを展開していきます。
ケータイ捜査官7とは
端的にいうとイマドキの高校生ケイタがAIを搭載した歩くケータイ・セブンと力を合わせてサイバー犯罪に立ち向かう近未来SFドラマです。
放送は2008年テレビ東京系で木曜19時から30分弱。ケイタは当時無名の窪田正孝が演じています。
起用した三池監督は「10年後窪田を選んだ理由がわかる」と言ったそうです。今や朝ドラの主役ですよ(しかも男性の単独主演は23年ぶりだとか)
ケータイ捜査官7の魅力を簡単に
特撮なんて子供騙しなんじゃないの?
と思う人がほとんどだと思います。そもそもファンタジーが子供っぽいと言われたら元も子もないです。
でもケータイ捜査官7はやばい怪人が出てきてドッカーンと倒すみたいなスッキリする「勧善懲悪」ものではありません。
もちろん「悪のハッカー」や犯罪者に立ち向かって解決する話もあります。
しかし、主題になっていくのはネットワークを通じて人の悩みを解決したり想いを感じながら高校生ケイタと歩くケータイ・セブンが成長していく物語です。
その中で時にシュールなギャグストーリーあり、スリリングなストーリーもあり、ホラーだったり、友情だったり、戦争の虚しさを説いたり、古いものに想いを馳せたり…
そんな多彩なエピソードが基本1話完結で展開していく物語がケータイ捜査官7です。
FODは1ヶ月無料なので、1日2話のペースで見ていくと全45話を見終えることができます。
娯楽の少ないこの時期、是非ケータイ捜査官7を見てください!
1月にBlu-ray boxも発売されたので確認してみてはいかがでしょうか?
社会人だし購入を前向きに検討します…
2度目の春休みと作品たち①イノセント・デイズ
お久しぶりです。
野球のない時間が長すぎて野球の話をする気も起きません。
自分が野球のない晩秋から春分まで普段やっていることを続けるのも飽きたので、動画のサブスクサイトに登録してドラマを見ることにしました。
ついでにアウトプットもしていこう思います。
そこそこネタバレはします。
1.イノセント・デイズ
原作 早見和真/2014
ドラマ wowow/2018
50分 × 6話
世間を騒がせる「整形シンデレラ放火殺人」。
その犯人として逮捕され死刑囚となった田中幸乃に、関わってきたさまざまな人々の目線から迫るミステリーです。
元々文庫で読んでいた作品でした。「読後、あまりの衝撃で3日ほど寝込みました」なんて大袈裟な帯に惹かれたわけではないですよ。
ただ想像以上に重い話で、人の心の闇があらわれた作品だなと思っていました。
↓少し物語にふれます
この作品がドラマになると、視点が変わるので少し印象は変わります。展開がわかりやすくなったと同時に、小説からは捉えきれていなかったもう一つのテーマが見えて、登場人物により人間味が増した気がしています。
映像化で唯一残念?なのは原作の1つのテーマがほとんど感じられずに終わったことです。
そのテーマがこの時期だけに大切にしたいことですし、この物語に興味のある人は小説で読むことをお勧めします。
「何も知らないくせに。自分勝手に決めつけて」
↓ネタバレオンパレード
ドラマによって語り手が幸乃と慎一の2点にほぼ絞られたことで「現在」の流れがわかりやすくなりました。 そして事件後の章で明かされる慎一の懺悔がより効果的になったと思います。
また、ドラマでは祖母美智子と元結婚相手敬介の描写が増えていました。この二人は小説ではほぼ悪人として描かれフォローはありませんでした。しかしドラマでは美智子が心から幸乃を必要としていたこと、敬介が幸乃に後悔の念を持っていたことが描かれました。
これで人間味が増した登場人物によって、私たち全員が「田中幸乃に関わった人間たち」になり得るのではないか、と思いました。
ふとした悪意が想定以上に誰かを傷つけること、良心による後悔で人は縛られ続けること
その罪と罰がこのドラマではより濃く描かれていると思いました。
それを問いかけられているような執行直後の瞳のまなざしは厳しく刺されるものでした。
もう一つ、この物語を語るのに欠かせない「ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか」
これも映像化によってハッピーエンドであると限りなく示唆されたことも重要です。
幸乃は「もし本当に私を必要としてくれる人がいるんだとしたら、もうその人に見捨てられるのが恐いんです」という台詞からバッドエンドと捉えるのが簡単です。しかし、多くの人に想われていることに気づき希望を持ったのではないでしょうか。絶望の中で最後に希望を持ったまま人生を終えたのではあれば「ハッピーエンド」だと思います。
東京六大学の開催方式について
先ほど東京六大学野球2020年春季リーグの開催形式が1回戦総当たり制に決定しました。
これは
「昭和15年秋、昭和16年秋、昭和17年秋と戦後最初のリーグ戦の昭和21年春以来5回目のこと」
(東京六大学野球連盟HPより)だそうです。
Wikiによると、昭和16秋、17秋シーズンは1日3試合5週制。昭和15秋、21春は1日2試合4週制だったようです。
スポニチによれば
内藤雅之事務局長は1日3試合制での開催を断念した理由について「神宮はプロ併用日もあり、出来ると出来ない日がある」と説明した。
とあるため土日のみ開催で1日2試合4週制が採択されたとみるべきでしょう。
すなわち基本1週1試合のみで、最終週以外のどこかに1週に2試合組まれる形と考えられます。おそらく最終週の日曜日に早慶戦…というお決まりのパターンになると思われます。
手元に1回戦総当たり時代のデータがないので、どのような組み合わせになるかは推測できません。
なお、通常の法則通りに組む場合を考えると
(慶應=K 早稲田=W 明治=M 法政=H 立教=R 東大=T)
①1-1 K-T W-M
②1-2 H-T R-M
③2-1 K-R W-H
④2-2 K-M W-T
⑤3-1 R-T M-H
⑥3-2 K-H W-R
⑦4-1 M-T H-R
⑧4-2 K-W
のようになります。各チーム一度だけ1週2試合となります。
1週目にTM、2週目にKW、3週目にHRの一回ずつです。
また、本来であれば5週から7週にかけ3週連続試合を行うRHも土日土の試合となり、負担も軽減されます。
さて。この開催形式の場合、戦ううえで大事になることは
①基本1週1試合
②4週間に縮小される
③開催時期が遅れることによる暑さへの対応
の3つを上げてみました。
①基本1週1試合
大学野球のリーグ戦は主に勝ち点制であり、仮に1試合負けてもあと2勝すれば勝ち点を奪うことができるのが他の野球にはない大きな魅力の1つです。
もちろん、今回の縮小に対する反対意見を述べるつもりはありません。
いずれにしろ、これによって1試合の価値が大きくなることは確かです。
1回戦で敗れた相手と再び戦い、倍返しする…というシナリオは描けません。
1人の投手が崩れて試合が決まってしまえば、それを取り返すことは容易ではありません。そこで必要なのは投手の良し悪しを的確に判断する采配の能力です。新監督にとっては腕の見せ所になってくるでしょう。
そして、裏を返すと崩れないような優秀な投手の存在が大切です。特に基本1週1試合なだけに中6日で必ず結果を出す絶対的エースがいるだけで戦いが楽になるでしょう。
現在、チームの中心が入れ替わり絶対的エースが存在するチームは早川が主将を務める早大のみ。強いて言うなら、ケガに不安のある三浦擁する法政程度です。
一方で投手層の厚い明大、慶大はうまく組み合わせればスキのない守りを構築できそう。個人的には1戦必勝が続く都市対抗予選を豊富な投手の組み合わせで勝ち上がってきた堀井新監督には期待したいところです。
②4週間に縮小される
本来であれば7週で開催されますが、半分に縮小されます。
敗戦を喫した後、空き週を挟んで2週間後まで試合がないというブランクはありません。一方でマイナスのモチベーションを引きずってしまえばズルズルいきかねないという難しさもあります。モチベーションの維持はこのシーズンにとって大事になります。
打線の好調を維持することも同義で重要です。打線のつながりを欠く状態を早く修正しなければ掛け違えたままシーズンを終えてしまうことになりかねません。
③開催時期が遅れることによる暑さへの対応
シーズンは4月から5月の終わりまで行われますが、気温は5月に入ってから徐々に上がり最終週には半袖でなければ耐えられないほどの暑さとなります。
そんな最終週に近い時期からシーズンが始まるだけに、暑さは神宮ではなかなか経験できないものです。熱中症など体力面での心配はシーズン終了までついて回るでしょう。特に投手は負担が大きいだけに、試合数が少ないとはいえ層は厚いに越したことはありません。
このように、未経験のシーズンが始まることになるかもしれません。
少ない試合数ながらそれぞれのチームが全力を出し切れることを望みます。
六大学2017シーズンに2020シーズンを見る 序章
お久しぶりです。昨今の情勢によって卒業したいものからあんまり卒業できないまま4月を過ごしています。
東京六大学野球も2020春季リーグの延期が発表されるなど穏やかじゃない状況が続いています。このような状況は過去を見返してもないことだと思います。
さて、諸般の事情は置いといて2020シーズンは各チーム大きい変化が起こります。1つが監督。慶大(大久保→堀井)、明大(善波→田中)、東大(浜田→井手)の3チームで新監督が就任します。半数の3チームで監督が交代するのは慶大(実質不在→大久保)、早大(岡村→ヒロシ)、法大(神永→青木)の3チームで監督が交代した2015年以来です。
そしてもう1つが多くのレギュラーが卒業する点にあります。